遮音+吸音

バンドで演奏するのに、どの程度の防音設備が必要なのか。
前に、日常の音はどの程度で、どう数字で表すかについて
触れました。
では、バンドで演奏した際の音量は、どの程度なのでしょう。
ドラムを例に挙げてみます。
ドラムは、低音に振動と、かなりの音量であると考えられます。
それを考慮して遮音するとなると、Dr-70程は必要だそうです。
以前の計算式を応用的に使うと、こうなります。
X(ドラムのdB)-(Dr-70)=0
X=70
つまり、ドラムの音量は70dBということになります。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
70dBといったら、前回紹介した項目でいうところの
『掃除機』の音量に当たります。
え!? ドラムの音量が掃除機と一緒!?
僕は書きながら、調べながら驚きました。
(厳密に言うと、距離により数値は変わりますが)
そしてさらに調べました。すると、ある事実が浮上します。
必要Dr値≠音量(dB)
だということです。
つまり、Dr-70の壁を使っているからといって、
ドラムの音量が70dBであるとは限らないのです。
なぜこの式が成り立つのかというと、
『吸音』という言葉が重要になってきます。
防音とは、主に『遮音』と『吸音』で成り立っていると
以前書きました。
極簡単に書けば、
遮音=音を跳ね返すこと
吸音=音を吸収すること
でした。
そもそも音とは何なのか。
音とは振動であり、エネルギーです。
遮音すれば音は外に漏れにくくなります。
しかし、エネルギーは減りません。つまり音量は減りません。
吸音は、エネルギーを吸収します。つまり音量を減少させます。
例を挙げてみます。
わかりやすいものが思いつかなかったので、
少し変な例えです。
水鉄砲を思い浮かべて下さい。
地面に線を引きます。
①その線の向こうに水を放ちます。
 すると、線よりも遙か遠くの地面が濡れます。
②次に、地面の線上に網戸を立てます。
 同じように水を放ちますが、先程よりは遠くに飛びません。
 網に遮られて、勢いを失ったのです。
③今度は、網戸の代わりにガラスの壁を立てます。
 水を放つと、線の向こうは濡れません。
 しかし、水は勢いよく自分に跳ね返ってきます。
④最後に、ガラスは撤去し、また網戸を立てます。
 しかし今度はそれだけではなく、その網戸に綿を張り付けます。
 網戸で勢いを減衰させ、綿が水を吸収します。
 水は必要以上に跳ね返ることはなく、かつ線の外には
 漏れません。
この例えの水は、ずばり音です。
網戸は遮音のための壁。
ガラスはより強固な遮音壁で、綿が吸音素材です。
どんなに厚い壁で囲っても、
内側に響き過ぎてしまい、音質が変わってしまいます。
かといって、薄すぎれば音はだだ漏れです。
よって、遮音の為の程良い壁に、吸音のための素材を
組み合わせることが重要なのです。
なので、ドラムに必要なDr-70という数値は、
そのままdBを表しているのではなく、
吸音を加味したうえで、そこにDr-70が必要だ、
ということだと思います。
外への音の考慮と共に、内側の反響への配慮もする。
そういう防音、そしてスタジオが理想だと思います。
今後は、スタジオに入れたい様々な機材について
書ければと思います。
それでは、今日はこれにて……。

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